近視は悪か
2015-12-26


知人目医者の話。

その知人の校医やってる小学校の養護教諭から、学校保健委員会でミニ講演できないかという話が来た。
学校の先生とかりだされた保護者代表の総勢8人くらい相手になんかしゃべって、そういう会をやったと報告書に書くためのもんですが、ゲームについて話できないか、、、とかいわれたんだそうです。
目に悪いからゲームするなという文脈で講演させたい模様だったそうで。

そんなものに関するきっちりしたエビデンスはないとおもうぞ。3時間外で遊ぶグループは1時間、2時間にくらべ近視化が少ないという程度の話でしょう。しかしそのグループ間は、そのほかの日常生活も違いそうだ。

だいたい、ゲームの時間をなんとかしたいというのがたぶん先にあるので、近視を口実に医者に躾を手伝わせようというのはどういうものか。
ま、ここは信念によってちがう医者もいるでしょうが、彼はそう思っているそうで、教諭にメールしたそうです。

内容に、以下のような感じで書いたそうでした。


「近視進行に関しては、日常生活が関係することは状況から想定できますが、信頼できる疫学調査はありません。ましてや、ゲームについての態度のコントロールを近視を口実に行うのは、科学的にはどうだかです。これは、単純に生活習慣のなかで語られるべき事柄と思います。

そもそも、近視になるのを「わるいこと」という前提で語るのもどうかと思います。近視や色覚異常がかって忌避されてきたのは、「いい兵隊さんをつくる」上で障害になったからです。いまどきはもうそういう必要ないのですが、「みんなでそろえるのが大好き」「
なにか望まないことがおこったら悪い原因があるはずだからそれを探してつるしあげる」という文化上の性癖
から続いているのでしょう。

近視化ひとつとっても、ゲームの時間を減らしたら何とかなるような単純なもんであるはずがありません。それに子供は、自分の家でできなければ、できる友達の家に行くだけです。
必要以上に近視を忌避すると、見えないのにメガネを嫌がるという態度を生むのがかえって困りものです。

小学校低学年までは、きっちり網膜に焦点をあわせたほうが眼球形状が近視化しにくいと思わせるデータもあるようです。視覚遮断に近視化を伴う症例もありますので、

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