HIV 陽性の看護師 HIVは「穢れ」か
2010-04-30


強要じゃないといってもそりゃ通りませんでしょう。

まあやめてほしいというのは気分としてわからなくはないですが、問題はつまりその「気分」という奴なのです。「HIV = 穢れ」の意識で行動してるように思えるのですよ。目の前からいなくなれば水に流して問題解決と(笑 このあたり、ネットユーザーの意識もきわめて日本的。叩けば叩くほど、陽性がわかっても黙って言わなくなるだけだろ、そのほうが社会に対する悪影響は強い。

この看護師に限らず知らんうちに陽性になってる人はいくらでもいるだろうし、もぐらたたきしていったところでいなくなるわけがない。誰がなにをもってるかわからないと考えるのが医療現場の基本であって、医者はそれは承知のはずだし、患者も、故意でない事故で感染させられたらそれはもう仕方ないと考えてくれんと。その治療には公的保険が使えることで基本的にはよしとするしかないと思う。状況によっては、実際に発症したら治療費を負担というまではわかる。インフラとしての医療制度の社会性を考えたら、それを超えてはやりすぎ。
肝炎「キャリア」を過去にさかのぼって損害賠償だのいうから 、、、、、、

だいたい、医療安全を口実にするなら、病院の業務中(つまり業務命令の一環)に感染を余儀なくされた医師看護師に対しても、おまえはもう居る場所がないと病院がいい放たんとあかん理屈になるよ。いや、業務限定の対象を医療の範囲に限る理由すらないのだから、やればやるほどきりがない。安全信者はそれでなにがいけないというだろうがね。
となれば、現場がHIVキャリアに対応するのを拒否する動きがまた出るだろう。偶然でも感染すれば、損賠訴訟にもなるだろう。「えんがちょ」じゃなし、どうしようもないものはどうしようもないといいかげん思ったらどうか。発症していない HIV にここまで敏感になって、じゃあほかに危険がないと思うのか。
ハンセン病の歴史から何も学んでいませんな。

安全じゃないところで折り合いをつけて生きていくのが社会です。確実とか、保証とか、日本人は求めすぎる。

[URL]
HIV理由に退職勧奨 愛知の病院側は否定 2010年4月30日 09時05分  (中日新聞)
「愛知県内の大手病院で昨秋、エイズウイルス(HIV)感染が判明した30代の看護師が退職に追い込まれていたことが分かった。看護師は「病院幹部から看護師としては働けないと言われ、退職強要と受け止めた」と話している。病院側は「退職を求める意図はなかった」と、退職勧奨を否定している。」「看護師と病院側によると、看護師は昨年9月、勤務中に過労で倒れ、院内で治療を受けた。その際、病院側は本人に断らずに採血検査をし、HIV感染の疑いが判明。翌日、看護師は別の医療機関で詳細な検査を受け、感染が確定した。エイズは発症していない。」「看護師は、別の病気を理由に休暇を取った後、同10月中旬に感染確定の診断書を持参。最初は主に副院長と、2回目からは当時の職場だった施設の副施設長と数回、就労について話し合った。」「その際、看護師は治療後の職場復帰に支障がないことを明記した診断書を示したが、副施設長は「うちでは看護職は続けられない。運転や配膳(はいぜん)の仕事はあるが、差し迫って人が必要なわけではない。他の理解ある病院に面倒を見てもらっては」と発言。看護師は同11月末、副施設長に「退職を強要されたと受け止めている」と伝え、辞表を提出した。」
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