2011-11-15
患者は医者にとって、お客様とは思わない。依頼者と思っている。
「私を信頼して、それを態度に出すのなら、頑張ってあげます」というのが医者だということです。失礼な患者を蹴りだすことはぜんぜんかまわないとは思う。
もちろんそれが只や安価である必要も、ぜんぜんない。ブラックジャックも患者の本気度を測るのにとんでもない報酬を要求する設定だったろ。気合や信頼はそうやって数値化するしかないのかもしれない。
依頼者が分を守って、医者を信頼する限り、医者は患者のためにがんばるものだと思うのである。おセンチかも知れんが。
保険医療の枠が出来る以前から医者と患者はいるのだし、これは古今東西不変の基本だと思うのである。
というわけで、よその病院であった話です。
開業医のとこに、急性で硝子体のえらく濁ったブドウ膜炎患者がきたらしい。散瞳してよくみると濁りの向こうの周辺部に、網膜が白く濁って出血もある。
これは急性網膜壊死(桐沢ね)じゃないかと開業医は思った。この場合抗ヘルペスウイルス薬とステロイドの大量点滴が必要になる。
あいにく土曜でしかも月曜まで連休である。まともに救急やってる病院眼科もないし、救急で押し込んでもなかなか相手してくれないので、内服抗ウイルス薬(バルトレックスなのですが)を処方して、内服ステロイドはこじれさせるだけなので出さず、休み明けにきなさいと帰した。
休み明け火曜には来ず、水曜にやってきた。今日が火曜と思ったとボケたことをいう。
硝子体混濁はかわらず、網膜の白濁はちょっと枯れた感じで剥離もないので、ほっとして、近所の病院に紹介。硝子体手術のできる副部長がいるので名前は書いたが、外来には水曜は出ていない。でも、ふつうは日が違っても、その後の日であってもその医者にまわすものなのです。
紹介されていった患者、その日に入院になって点滴された。そこそこ硝子体はきれいになりFAでそうおかしくもなく(といってもそんなに周辺が写るわけないんだが)、ほんとにARNなんだろうかといわれて退院した、と、そのあと、全剥離になってけっきょく大学に紹介されていった。そりゃそうだろう。レーザーぐらいしろって。
ここでなんだと思うのは、その病院の、硝子体手術のできる副部長にけっきょくその患者は診られなかったのである。あまり能力のない部長が、いろいろあってその副部長とうまくいかず、あと半年近くで出ることもきまったのでもう近所の医者に配慮する気もなくなったのか、下っ端と部長でその患者をずっとみて、剥離までなにもせず、しかも剥離しても副部長には見せず大学にまわしたのであった。
これはルール違反だろう。
開業医はその病院に副部長宛に出せば結果的にはたどりつくだろうと思って紹介状を出すのである。曜日が違うといっても、毎日出ていないものを緊急の患者をわざわざ遅く出すわけにもいかないし、中で部長と副部長の仲がどうのだなんて知ったこっちゃない。
患者はいわれるままに回っているだけなのだ。医者の言うとおりに回った挙句にこれじゃあねえ。
開業医は、ややこしい患者はもう絶対に回さないと怒っている。副部長は、自分にはなんともできませんしと首をふる。部長は出て行くもんだからもうどうでもいいと思っている。下っ端はなんにも。
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