「ホームにて」に思う
2015-04-27


というより、すでに、おっさんはもう、ホームにはいない。ずっと昔に列車に乗ってしまった
列車の中で、2階車の上に行こうとか、一等席に移ろうとか、悪戦苦闘しながら、もしくはもーどーでもいいやあと窓の外を見ながら、過ごしているのです。

だから、おっさんが懐かしく思い出すのは、出発点であるホームに違いない。どこ行きの列車も選択できるホームにいたころを懐かしく思い出しながら、列車はひたすら進む。
最終目的地はもちろんあの世である。
この世でさんざ忙しく、甲斐もないことも含めあれこれした挙句にいくべきの世は、安らかなところに違いないとおっさんは思う。

若いもんは、現在の懐かしさにひたりながら未来を考えて生きるだろう。おっさんは、未来をめざしながら、いろんなことが出来たり出来なかったりした過去を数えて生きるのである。

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